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これ!というものを見つける

先日ネェネのバレエ教室の参観日があった。
ネェネは週2回、バレエ教室に通っている。

最近は、来春に開催される予定の発表会の振り付けを練習し始めている。去年の発表会の時には、練習中の振り付けを見せてくれたり、家で練習することなどまったくなかったのに、今回は、難しいのに早く覚えられた!と、毎日のように習った部分を踊って見せてくれる。

ところでネェネの同級生に、ネェネがバレエを始めるきっかけになった女の子がいる。彼女は、バレエが本当に大好きなようで、将来はバレリーナになると言って、3年生になってからはバレエのほかにも習っていた英会話やスイミングをすべてやめ、バレエを週5回行っていると聞いていた。ネェネにも一度バレエレッスンの回数を増やす?と、聞いてみたが、
「え~💦じゃあいつ遊ぶの⁉」
と、一蹴された105.png

さて、参観に行ってみて、ビックリした。
3年生は5人。そのうち週5回バレエに通う子がなんと3人。うちの子を含めた残りの2人が週2回で習っているという・・・。同じレッスンを受けているけれど、そのスキルの差は歴然。幼稚園児と小学校高学年並みだ。月に12回ほどのレッスン回数の差があれば、当たり前だ。そして、ネェネの友達を見てさらにビックリ。レッスンに臨む姿勢が他の子と全然違った。もう何ていうか、目の色が違う。寝ても覚めてもバレエのことしか考えられないというような顔をして打ち込んでいた。当然ながら、筋肉の付き方や柔軟性も素晴らしかった。

私はそれを見て、素直に感動していた。
私もクライミングに出会ったその瞬間から、もうクライミング以外、何も必要なくなった。仕事をしていても、寝ても覚めても考えるのは、その時に打ち込んでいる課題のことだった。課題の難点を克服した夢を見て、飛び起きてエアクライミングすることも、しばしばだった。そして、少なくて週5回、大抵週6回ジムに通っていた。クライミングのために時間を作り、クライミングのために生活していた。クライミングをしていたら、それで満足で、毎日がどうしようもなく充実していた。それとまったく同じものを彼女に感じたのだ。

嗚呼、うちの子もやっぱり。やっぱりこういうものを見つけてやりたい。ただ何となく楽しいからじゃなくて、体の中からあふれ出るような情熱を注げる何か。それが見つかれば、うまい下手は関係なく、とっても幸せなのだ。

「うまくなってるでしょ?」
と、レッスン後に得意そうなネェネに、うん!週2回にしてはよく頑張ってる。上手になってたよと言った。そして、週5回の子たちがビックリするほど成長していたことを話し、お母さんもネェネに何か、それくらいやりたいことを見つけるためのサポートがしたくなった。お母さんと一緒に色々試して探してみない?と言ったら、う~ん・・・いいけど、何がある?と言う。
そうだよね。それが分からないうちは、遊びで試せることやってみよう!という話をした。

ネェネは、バレエのほかにもそろばん教室に週2回通っている。そろばんは、私が大人になってから、やっとけばよかったなぁと何度も思った習い事で、親の希望で、年中さんの時に教室を見学しに行ったのだが、すぐに「面白い!やってみたい!」と言ってくれたことがきっかけで続いている。もちろん習い事に常の、山あり谷ありで、今までに
「もういや!難しい!やめたい。そろばん嫌い!」
なんて言うことも、一度や二度じゃなかったけれど、その時期に頑張って続けると、必ずひと山越える時が来る。そうすると、また楽しい!と言って通うのだ。

ところが最近、ちょっとそれとは違う問題でやめたいと言い始めた。先生の厳しい言葉にストレスを感じるというのだ。
最近は、厳しいことを言ってくれる他人が少なく、ともすればダラダラになるネェネには、喝が入ってちょうどいい。と思って気にもしていなかったのだが、どうもその喝が怖くて、分からないところも質問出来ずじまいになり、そして出来ずにまた叱られる。というのを繰り返しているようなのだ。

ネェネは幼稚園でも学校でも、何かにつけて遅いと言われ続けている。同級生の中でも特に、やることなすこと時間がかかるらしいのだ。
一時私はそれを心配し、ある時そのことを実家で母親に話すと、
「何言ってるの。それ、あんたとそっくりやないの。あんた、自分がグズとかのろまと言いまわされてたこと、覚えてないの?6年の時なんか、朝の漢字テストがずば抜けて遅くて、先生にめちゃくちゃ怒られてたやないの。まぁそれでもどこ吹く風で、ケロッとしてたからなぁあんたは。」
と言われた。言われてみれば、そうかもしれない。確かに漢字テストはもうめちゃくちゃ頻繁に怒られたのをよく覚えている。そして5~6年生を掛け持ちしてくれた担任の先生に、グズい。のろま。と度々言われたことも覚えている。それでも自分がのろまだと思ったことは、一度もなかった。確かにケロッとしているのが、よけいに大人の神経を逆撫でしたのかもしれない。

それを知ってからは、ずいぶん気楽になり、私と同様まったく気にしていなさそうなネェネを、そのうち帳尻があってくるだろうと思って黙って見守ることにしている。
今のそろばん教室でも、恐らく他の子たちより、ずいぶんと伸びるのが遅いのだろう。何回言ったら分かるの!なんで分からないの!この前も言ったでしょう。というふうに先生に言われるというのを聞くと、そういうことだなと思えた。

学校ではゆっくり伸びるのを見てくれてるようだが、そろばん教室へ行って、放課後もみんなから後れを取って、そのことで言われるのは確かに気の毒かもしれない。そこで私は以前にママ友から聞いていた、我が家のごく近所で個人的にそろばん教室をされているお宅があるというのを思い出し、調べて見学に行ってみることにした。

本当に個人宅の2階で、子どもたちがちらほら勝手に出入りし、今日は何時までやりまーす。みたいなことを言って座ってそろばんを打ち、分からなければおじいちゃんに聞いてみるような感覚で、ここどうするの?これでいいの?みたいなことを言いにいき、先生もどれどれ?と覗き込んで、
「ちゃうやん。これ、ここで間違ってるやんか。4×5(しご)20やろ。・・・そうや。わかった?ここは必ず9入れると決まってるねん。だから・・・そや!そうそう。ほなこの問題やってみ。同じ事やから、これが合ってたら分かったゆーこっちゃ。」
みたいに指導してくれる。見学に行ったネェネも、腕試ししてみよか。と、6級の問題を渡されて、玉を打つ様子を目の前で見てもらい、
「うん。引き算苦手やゆーてたけど、イケてるで。割り算がまだここ習ってないんやな。・・・うん7×8(しちは)56やな。そう!そや。・・・あんたの苦手なとこ、分かったわ。ほなこれやってみ。いけるかな?」
と、手取り足取り教えてもらった。その時のネェネの瞳が、そっか!分かる!こうね!というような、非常に前向きな輝きを放っているのが、手に取るように分かった。

「ほな、もしうちでやられるんならまた来てください。来月からやけど、今月ヒマな時あったら来てええよ。お月謝は来月からでええし。」

なんてことを言って帰された。ネェネはまだ教室を出てもいないのに、私に
「ねぇお母さん!私ここでやりたい!こっちのほうがいい!」
とせがんだ。私もうれしくなって、うん。分かった!と言った。ネェネにぴったりの指導をしてくれる先生が見つかった!という感じがして嬉しかった。この先生のもとへ通ったら、そろばんがもっと楽しくなって、伸び率も上がるかもしれないという気がした。

習い事は習ってれば安心になってしまうことが往々にしてある。
私も剣道とピアノをそれぞれ15年と12年習い、そこそこモノにはなったけれど、何者にもならなかった。ただ、やめずに続けるという根性はついた気がする。あと、ちょっとした曲を子供にすぐ弾いてやれたり、体力に自信があるのも剣道のおかげだと思っている。

でも親としては、どうせ習わせるなら、何者にならなくとも、楽しい!これもっとやりたい!!と思って通ってほしい。身の付き方も全然違うだろう。

だから、バレエはやめない。やめないけれど、コレ!というものが見つかるよう、アンテナを張って、色々と試す機会をつくってやろうと思う。


# by oanim_d01 | 2020-09-07 14:57 | 日々思うこと

予告する大切さと絵カード

今日は、おチビの大・大・大嫌いな歯科検診。月1で行ってるのに、毎回歯医者さんの建物を見ただけで号泣。入って靴を脱がせるのにひと暴れ。待合室で、スマホを持たせても、ほぼ効果なし。まるで地獄の門を目の前にしておののく人のようなパニクリぶり…💦

そしていよいよ本番の検診では、診察椅子まで私の腕の中でありったけの力で手足を振って暴れて抵抗し、何とか椅子に寝かせて助手の女の子の1人が頭を固定、私はおチビに馬乗りになって手足をおさえ、やっと診察。と、いうのが常だ。

診察後は私もおチビも汗ぐっしょり。ただ歯磨きして、歯の状態を見て(もし虫歯があればその場で治療)、フッ素塗布してもらうだけのことが、拷問イベントと化す。

これ、何とか穏やかに済まないものかと悩んできた。今まだ3歳だけれど、これがこのまま続くとして、どんどん大きくなるおチビを羽交い締めし続けられるとは、到底思えない。

療育の時に、同じクラスに通う子のお母さんたちに相談してみたり、歯医者さんに発達障害があることを知らせて、午前中の最終診察にして、検診→治療の一括診察の形態にしてもらってはいるけれど、毎月これではこちらの体がもたない。そして、内心いつこの歯医者さんにサジ投げられて断られることになるかと、ヒヤヒヤも、している。

そんなある日、ひとりのお母さんが、
「歯医者とか病院に行く時は、早くから絵カード見せてるよ。いつも行く病院の写真をスマホで検索して見せて、診察してる絵も探して見せて、これが無事終わったらゲット出来るおもちゃとかお菓子とか、そういうのまで絵カードで見せて行く。それでもダメな時はダメだけどね(笑。」
という話を聞かせてくれた。

絵カード。

これは、療育でもふんだんに使用するアイテムで、靴を脱ぐカード、タオルをかけるためのカード、水筒のお茶を飲むカード、遊ぶカードなど、事あるごとに次に来る指示が分かりやすい絵や写真で表されている、トランプ程度の大きさのカードのことだ。
発達障害のある子は、視覚的に示してやると、理解が速いということで使われてはいるのだけれど…実は私はこれに違和感を感じていた。

家で、言っていることがよく分かっている感があると、本当にその絵カードが必要なの?と思えてくる。分かっているのに絵で示すなんて、馬鹿にしてない?というような気持ちがなくもなく、抵抗があった。
でも、実際にそうやっておうちで絵カードを活用しているママがいるんだ…ということを知って、私の中から違和感をとりあえず取りのぞいて、物は試しでやってみようかなという気持ちになった。試しもしないで抵抗してるなんて、馬鹿馬鹿しいかもしれないと思ったのだ。

おチビは、毎月1回歯医者に通い始めて、すでに1年半ほど経っている。その間にずいぶん成長もしたけれど、歯医者さんは相変わらずだ。一度、本人に覚悟させることを試してみようと思った。

昨日、夜ごはんの後の歯磨きをする段になって、私はスマホでいつもの歯医者さんの建物の写真をおチビに見せて、
「チビくん、明日はお母さんと一緒に歯医者さんに行って、お口、あ〜んしようね!」
と、言いながら、男の子が椅子の上で歯医者さんに向かって笑顔で口を開けているイラストを見せた。

おチビは、何の反応もせず、ただ無表情で、
「歯医者さん、お口あ〜ん。」
と、オウム返しするように言った。
「そうそう、今歯磨きしてるでしょ。これを歯医者さんでしてもらうだけだよ。痛くないでしょ。明日は歯医者さんでお口、あ〜んね!」
と、予告しておいた。

そして今日、2学期が始まり、幼稚園に自転車で送りながら、何度か、
「今日は幼稚園の後に、歯医者さんでお口、あ〜んしに行こうね!」
と、言っておいた。

そして更に、歯医者に出かける前に、再度昨日見せた画像2枚をおチビに見せて、
「さあ、歯医者さん、行こう!お口、あ〜んするだけだよ。痛くないからね!」
とやった。

すると、あからさまに嫌そうに半ベソかくような声を出しながらも、靴を履いて車に乗ってくれた。今までは、歯医者に行くと分かると、もう車に乗ろうとしなかったのに。

もうこうなったら一か八かだと思い、歯医者までの10数分の道のりで、しつこーく、歯医者さんでお口あ〜んするよ〜痛くないしチビくん、もう出来るよね!お母さんと一緒にお口あ〜んしようね!などと言いながら、知ってるかぎりの歯磨きの歌を歌って向かった。

途中でマクドナルドの前を通ると、
「ポテト食べようか!」
と言うので、
「よし!分かった!…じゃあねぇ…」
と、言いながらスマホで例の診察のイラストを見せ、
「歯医者さんでお口あ〜ん、が終わったら…」
と言って、次にマックフライポテトの写真を見せて、
「お母さんとポテト、食べよう!」
と言ってみた。それには納得いかなかったようだったけれど、それでもふぇ〜ん💦と不服の声を上げる程度で、泣き喚かなかった!

さて。
歯医者さんに着いた時、明るく、
「到着〜!さあがんばろう!痛くないよ。お口あ〜んしてる間に終わるから。」
と、言うと、うわぁ〜ん💦と泣き始めはしたものの、いつもの泣き喚きようには程遠いほどだった。

これは本当に行けるかも!
と思って、覚悟させるために、なるだけ落ち着いたトーンで声がけしながら、
自分で車から降りてもらう。→ 降りたことを褒める。→ おてて繋いで、自分で歩いて歯医者に入ってもらう。→ 入れたところでベタ褒め → 靴は脱げるが、それを手伝いながら、励ましの言葉。→ 受付へ。

すると、想像しなかったほど、落ち着いた状態で、すこーしメソメソする程度で待合室で座って待てた。スマホさえ渡さずに済んだ。待ってる間も、抱いて診察台に連れて行かれると思われると困るので、膝に乗せたりせず、座っている横で、
「大丈夫!もうチビくん出来るよね。お口、あ〜んするだけで、いつもぜ〜んぜん痛くないよね。大丈夫!出来るよ!」
と、励まし続けた。

果たして診察の時が来て、
おチビは見事、私と手を繋いで、自分で歩いて診察台に向かい、落ち着いて歯磨きしてもらう歯ブラシの色を選び、そして初めて羽交い締めすることなく、説得によって私の膝の上に乗って一緒に診察椅子に横になり、暴れることなく、少しメソメソするだけで、歯磨き→診察→フッ素塗布を済ませることが出来た!!!

「今日なんか、もっのすごく平和に事が済んでますけど、どうなったんですか?すごい落ち着いてますよね。これなら全然いけますね!」
と、いつもの助手の女の子が驚いていた。

私はといえば、内心、泣いて飛び上がって喜びたいほど興奮していた。

こんなに?

こんなにスムーズにいくものなの⁉️こんなに物分かり良く出来たんだ!

初めて絵カードによる予告の大切さを実感した。そして、定型発達の3歳児並みに、スムーズに歯科検診を終えたことに、言葉では表せないほどの喜びと自信を得ていた。

帰り道。

フッ素塗布後の30分は、飲食出来ないので、約束のマクドナルドまで時間潰しにドライブ。すると、子どもセンターの前を通りがかり、ここ!ここ!とおチビが言うので、いつもならスルーする要望を、今日は何でも聞き入れてあげたくなって、
「分かった!今日は付き合う!ちょうど曇ってるから、滑り台も熱くないかも!」
と言って、小1時間、地獄の屋外遊具遊びに付き合った。

本当に外で遊ぶの自体久しぶりで、暑くて人っ子ひとりいない公園の、木かげにある長いローラーの滑り台を、ひたすら何十回もキャッキャいって滑る息子に、同じテンションで付き合った。



# by oanim_d01 | 2020-09-01 12:47 | 発達障害児

晩婚アラフィフママの育児や生活の色々を、書き留めてます。


by Oanim