これ!というものを見つける
2020年 09月 07日
先日ネェネのバレエ教室の参観日があった。
ネェネは週2回、バレエ教室に通っている。
最近は、来春に開催される予定の発表会の振り付けを練習し始めている。去年の発表会の時には、練習中の振り付けを見せてくれたり、家で練習することなどまったくなかったのに、今回は、難しいのに早く覚えられた!と、毎日のように習った部分を踊って見せてくれる。
ところでネェネの同級生に、ネェネがバレエを始めるきっかけになった女の子がいる。彼女は、バレエが本当に大好きなようで、将来はバレリーナになると言って、3年生になってからはバレエのほかにも習っていた英会話やスイミングをすべてやめ、バレエを週5回行っていると聞いていた。ネェネにも一度バレエレッスンの回数を増やす?と、聞いてみたが、
「え~💦じゃあいつ遊ぶの⁉」
と、一蹴された
さて、参観に行ってみて、ビックリした。
3年生は5人。そのうち週5回バレエに通う子がなんと3人。うちの子を含めた残りの2人が週2回で習っているという・・・。同じレッスンを受けているけれど、そのスキルの差は歴然。幼稚園児と小学校高学年並みだ。月に12回ほどのレッスン回数の差があれば、当たり前だ。そして、ネェネの友達を見てさらにビックリ。レッスンに臨む姿勢が他の子と全然違った。もう何ていうか、目の色が違う。寝ても覚めてもバレエのことしか考えられないというような顔をして打ち込んでいた。当然ながら、筋肉の付き方や柔軟性も素晴らしかった。
私はそれを見て、素直に感動していた。
私もクライミングに出会ったその瞬間から、もうクライミング以外、何も必要なくなった。仕事をしていても、寝ても覚めても考えるのは、その時に打ち込んでいる課題のことだった。課題の難点を克服した夢を見て、飛び起きてエアクライミングすることも、しばしばだった。そして、少なくて週5回、大抵週6回ジムに通っていた。クライミングのために時間を作り、クライミングのために生活していた。クライミングをしていたら、それで満足で、毎日がどうしようもなく充実していた。それとまったく同じものを彼女に感じたのだ。
嗚呼、うちの子もやっぱり。やっぱりこういうものを見つけてやりたい。ただ何となく楽しいからじゃなくて、体の中からあふれ出るような情熱を注げる何か。それが見つかれば、うまい下手は関係なく、とっても幸せなのだ。
「うまくなってるでしょ?」
と、レッスン後に得意そうなネェネに、うん!週2回にしてはよく頑張ってる。上手になってたよと言った。そして、週5回の子たちがビックリするほど成長していたことを話し、お母さんもネェネに何か、それくらいやりたいことを見つけるためのサポートがしたくなった。お母さんと一緒に色々試して探してみない?と言ったら、う~ん・・・いいけど、何がある?と言う。
と、レッスン後に得意そうなネェネに、うん!週2回にしてはよく頑張ってる。上手になってたよと言った。そして、週5回の子たちがビックリするほど成長していたことを話し、お母さんもネェネに何か、それくらいやりたいことを見つけるためのサポートがしたくなった。お母さんと一緒に色々試して探してみない?と言ったら、う~ん・・・いいけど、何がある?と言う。
そうだよね。それが分からないうちは、遊びで試せることやってみよう!という話をした。
ネェネは、バレエのほかにもそろばん教室に週2回通っている。そろばんは、私が大人になってから、やっとけばよかったなぁと何度も思った習い事で、親の希望で、年中さんの時に教室を見学しに行ったのだが、すぐに「面白い!やってみたい!」と言ってくれたことがきっかけで続いている。もちろん習い事に常の、山あり谷ありで、今までに
「もういや!難しい!やめたい。そろばん嫌い!」
なんて言うことも、一度や二度じゃなかったけれど、その時期に頑張って続けると、必ずひと山越える時が来る。そうすると、また楽しい!と言って通うのだ。
ところが最近、ちょっとそれとは違う問題でやめたいと言い始めた。先生の厳しい言葉にストレスを感じるというのだ。
最近は、厳しいことを言ってくれる他人が少なく、ともすればダラダラになるネェネには、喝が入ってちょうどいい。と思って気にもしていなかったのだが、どうもその喝が怖くて、分からないところも質問出来ずじまいになり、そして出来ずにまた叱られる。というのを繰り返しているようなのだ。
ネェネは幼稚園でも学校でも、何かにつけて遅いと言われ続けている。同級生の中でも特に、やることなすこと時間がかかるらしいのだ。
一時私はそれを心配し、ある時そのことを実家で母親に話すと、
「何言ってるの。それ、あんたとそっくりやないの。あんた、自分がグズとかのろまと言いまわされてたこと、覚えてないの?6年の時なんか、朝の漢字テストがずば抜けて遅くて、先生にめちゃくちゃ怒られてたやないの。まぁそれでもどこ吹く風で、ケロッとしてたからなぁあんたは。」
と言われた。言われてみれば、そうかもしれない。確かに漢字テストはもうめちゃくちゃ頻繁に怒られたのをよく覚えている。そして5~6年生を掛け持ちしてくれた担任の先生に、グズい。のろま。と度々言われたことも覚えている。それでも自分がのろまだと思ったことは、一度もなかった。確かにケロッとしているのが、よけいに大人の神経を逆撫でしたのかもしれない。
それを知ってからは、ずいぶん気楽になり、私と同様まったく気にしていなさそうなネェネを、そのうち帳尻があってくるだろうと思って黙って見守ることにしている。
今のそろばん教室でも、恐らく他の子たちより、ずいぶんと伸びるのが遅いのだろう。何回言ったら分かるの!なんで分からないの!この前も言ったでしょう。というふうに先生に言われるというのを聞くと、そういうことだなと思えた。
学校ではゆっくり伸びるのを見てくれてるようだが、そろばん教室へ行って、放課後もみんなから後れを取って、そのことで言われるのは確かに気の毒かもしれない。そこで私は以前にママ友から聞いていた、我が家のごく近所で個人的にそろばん教室をされているお宅があるというのを思い出し、調べて見学に行ってみることにした。
本当に個人宅の2階で、子どもたちがちらほら勝手に出入りし、今日は何時までやりまーす。みたいなことを言って座ってそろばんを打ち、分からなければおじいちゃんに聞いてみるような感覚で、ここどうするの?これでいいの?みたいなことを言いにいき、先生もどれどれ?と覗き込んで、
「ちゃうやん。これ、ここで間違ってるやんか。4×5(しご)20やろ。・・・そうや。わかった?ここは必ず9入れると決まってるねん。だから・・・そや!そうそう。ほなこの問題やってみ。同じ事やから、これが合ってたら分かったゆーこっちゃ。」
みたいに指導してくれる。見学に行ったネェネも、腕試ししてみよか。と、6級の問題を渡されて、玉を打つ様子を目の前で見てもらい、
「うん。引き算苦手やゆーてたけど、イケてるで。割り算がまだここ習ってないんやな。・・・うん7×8(しちは)56やな。そう!そや。・・・あんたの苦手なとこ、分かったわ。ほなこれやってみ。いけるかな?」
と、手取り足取り教えてもらった。その時のネェネの瞳が、そっか!分かる!こうね!というような、非常に前向きな輝きを放っているのが、手に取るように分かった。
「ほな、もしうちでやられるんならまた来てください。来月からやけど、今月ヒマな時あったら来てええよ。お月謝は来月からでええし。」
なんてことを言って帰された。ネェネはまだ教室を出てもいないのに、私に
「ねぇお母さん!私ここでやりたい!こっちのほうがいい!」
とせがんだ。私もうれしくなって、うん。分かった!と言った。ネェネにぴったりの指導をしてくれる先生が見つかった!という感じがして嬉しかった。この先生のもとへ通ったら、そろばんがもっと楽しくなって、伸び率も上がるかもしれないという気がした。
習い事は習ってれば安心になってしまうことが往々にしてある。
私も剣道とピアノをそれぞれ15年と12年習い、そこそこモノにはなったけれど、何者にもならなかった。ただ、やめずに続けるという根性はついた気がする。あと、ちょっとした曲を子供にすぐ弾いてやれたり、体力に自信があるのも剣道のおかげだと思っている。
でも親としては、どうせ習わせるなら、何者にならなくとも、楽しい!これもっとやりたい!!と思って通ってほしい。身の付き方も全然違うだろう。
だから、バレエはやめない。やめないけれど、コレ!というものが見つかるよう、アンテナを張って、色々と試す機会をつくってやろうと思う。
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by oanim_d01
| 2020-09-07 14:57
| 日々思うこと